おすすめ本 -書評-

  • 09.11.13
    ありがとう
    鷺沢萠

  • 萠 (めぐむ)という字が出せないでので
    他の場所からコピー&ペーストをした私。
    カンジ、ムズカシイ…。




    そんな鷺沢(さぎさわ)さんの本、「ありがとう」ですが、
    このほんわりオレンジ色の表紙にだまされちゃあいけません。
    鷺沢さん、かなりパンチの効いたエッセイを書くのです。
    本気で怒ったり打ちのめされたり泣きじゃくったり。
    それでもとても文章がウマくてユーモアがある人なので、すいすい読めてしまうナイスな本。
    その中でも、特に好きなのがここに収録された「風呂桶の許容量」です。


    「風呂桶の許容量」は、他人に対する怒りを、風呂桶にいれたボーリング玉が瓦解する様で
    たとえたエッセイなのですが、これがすごくうなずける!
    というのも、たまたま私も怒り狂っている真っ最中だったので余計かもしれませんが(笑)。
    「くそったれ!ふざけんな!」と
    ぶりぶり怒りながら本棚を見たとき、ちょうどこのエッセイを思い出したのです。
    「そうそうっ!ボーリング玉がゴロンゴロンッて転がるんだよねっ」と。


    ああ、でも鷺沢さんはエラいですよ。
    怒っても風呂桶が壊れて、溜めたボーリング玉が転がるだけですからね。
    私は風呂桶に溜める前に、ボーリング玉を相手に向かって投げ飛ばしていますから。
    プロ野球選手も真っ青のスピードで…。


    そんなステキな鷺沢さん。
    もう彼女の新しい文章を読むことはできません。
    あー、神様。
    側に置きたい気持ちは分かりますが、もう一度こっちに返してはくれませんか?





    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
    にほんブログ村
PAGE TOP