おすすめ本 -書評-

  • 17.01.24
    ロボット・イン・ザ・ガーデン
    デボラ・インストール

  • ロボット小説とはいえ、これにはSFならではの小難しい単語や
    ややこしい設定はいっさい出て来ません。
    小説の舞台はちょっと未来のイギリス。
    無職のベンと、バリバリのキャリアウーマンのエイミーが
    暮らす家の庭に、ひょっこりロボットが現れる所から話が始まります。
     
    ロボットの見た目はがらくた同然。
    中身は幼児のような知能しかなく、
    捨てて来いというエイミーに反発してロボットをかくまったベンは、
    なんとロボットもろともエイミーに捨てられます。
    傷心で無職のベンは一路、ロボットを直す旅に出るのです。
     
    とまあ、ダメ男と子供ロボットの旅物語というわけなのですが、
    これがまあなんだかとっても面白いのです。
    飛行機に乗るエピソードからホテルに泊まるシーンに至るまで、
    細かいところで読み手をくすくすと笑わせます。
    もしくはふふふと口元がゆるんでしまうのです。
    ベンの人の良さと、ロボットであるタングの愛らしさが
    ぐいぐいと小説世界へと引っ張ります。
    ダメ男とロボットの旅は本当に楽しそうで、
    最後には小説世界から別れるのが本当に惜しいくらい。
    その楽しさは昼下がりのディズニーランドのパレードのように、
    読者をわくわくとどきどきさせ、そして最後まで幸せにしてくれます。
     
    どぎつい刺激はもうたくさん、
    あたたかくて素敵なお話で和みたいの!という人に
    本当におすすめの小説です。

     



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