もじりすた
3度のめしより本が好き
読み散らかした中から、おすすめ本を紹介します。
おしゃれの力を感じる本です。
初めてその姿を目にした時の衝撃は今でも忘れられません。
乾いたアフリカの土地に並ぶバラック。
どうみても生活が苦しそうな場所。
そこに現れた、色とりどりのスーツを着こなした男達。
荒れ地に咲く花、と言っても過言ではないほど、
その姿は長い間、私の脳裏に焼き付いていました。
「一体何者?」
その疑問に答えてくれたのが、この本でした。
SAPEUR(サプール)とは、
コンゴ共和国で色とりどりスーツを着こなし、
おしゃれを独自に楽しむ紳士のこと。
しかしコンゴ共和国は豊かな国ではありません。
貧しい、といっても過言ではないでしょう。
内戦も経験し、日々の生活を考えれば、
ブランドスーツにうつつをぬかしている場合では
ないのが実際でしょう。
なのにどうしてそんなにおしゃれなのか?
それはサプールが、ただの「おしゃれな人」ではないからです。
「おしゃれ」を通して人としての品位を保ち、
人々の模範となり、楽しませ、あこがれとして存在する。
だからサプールとして外出する際には、
細心の注意を払い、一種の儀式のように時間をかけて準備をします。
散髪し、シャワーを浴び、コーディネートを考え抜き、
シャツにはシワ1つ許さず、背筋を伸ばしてスーツを着る。
そして紳士の振る舞いを忘れず、暴力は決して許さない。
そう、まさにおしゃれを通して生き様を体現しているのです。
生き様としての「おしゃれ」。
そんな難しいことを考えずとも、美しいものは美しいです。
ぜひこの本でサプールの世界を堪能してみて下さい。
ほんっっっっとうにカッコいいんだから!