おすすめ本 -書評-

  • 10.01.31
    谷間の百合
    バルザック

  • ひさしぶりにごっつい本を読みました。




    どんな話か簡単に申しますと、
    あるお兄ちゃんが人妻に一目ぼれして
    好きで好きでしょうがないんだよ?という話。
    ……こう書くとミもフタもない下世話な話に聞こえますが、
    そこは文豪バルザック。
    ページを開いたとたん、
    美しくも力強い言葉の奔流に押し流され、
    うっとりしつつも、「二人はどうなるんだ!」という
    どきどき感で手に汗握ることうけあいです。


    これはジャンルで言うと、文学っていうやつに分類されるんでしょうか?
    もしそれで読まずキライになっている人がいたら
    ぜひ読んでほしい一品です。
    いつも思うことなのですが、
    『いい本』というのはジャンルを越えて読者を魅了し、
    先がどうなるのかと、どきどきする魅力にあふれています。
    ミステリだとか、純文学だとか、
    テーマが恋愛だとか殺人だとかは些細な問題な気がするのです。


    で。
    この本はいい本です。
    たしかにちょっと重たいです。
    マックのハンバーガーみたいに気軽に食べるものじゃありません。
    シェフが腕をふるったテリーヌというところでしょうか。
    ねっとりとした舌触りに、後味まで濃厚。
    ちょっぴりでも満足!って感じでしょうか。
    でも、ファストフードに飽きたら、ぜひどうぞ。
    愛の重さがどすんと胃の腑におちますぜ。
    しかもオチがワタシごのみ。
    うーん、バルザック先生、いい仕事してはりますな!



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