おすすめ本 -書評-

  • 16.07.26
    うちの子どうして食べてくれないの?
    カルロス・ゴンザレス

  • 赤ちゃんの食事に悩んでいるお母さんに
    (食べない、母乳についてなど)
    激しくおすすめの本です。
     
    タイトルと写真を見てお分かりの通り、(この表紙、最高です)
    赤ちゃんの食事についての本です。
    著者はスペインの小児科医。
    患者である赤ちゃんやお母さん、
    そして父親という自分自身の体験をふまえた上で
    「子供の食事については悩まなくても平気だよ!」と
    いう明るいメッセージを伝えてくれています。
     
    子供が食べてくれない、というのは本当によく聞く悩みです。
    そんな悩みに、カルロス氏は本書でこう言っています。
    『「こどもが食べない」という問題は、こどもが食べる量と、
     親が食べてほしいと願う量がアンバランスであるために生じます。』
    もう目からウロコでした。
    これまで色々と子供の食事について情報を目にしましたが、
    このように食べないという問題に対して、根拠を示して
    「大丈夫!」といってくれるものはこれが初めてでした。
      
    しかもそれは適当に安心させようとしているわけではなく、
    医学的な知見から、そして大勢の患者さんを見て来た結果であり、
    すとんと納得できる根拠をきちんと説明してくれています。
    もちろん、食欲がないという中には病気が隠れているものもありますが、
    それは赤ちゃんの普段の表情や体重を見ていれば分かる、
    と最後の最後まできちんとフォローされています。
    そして全てがとてもわかりやすく、
    ユーモアあふれるやさしい文章で書かれているので、
    本当に水がスポンジにしみ込むようにするすると読めてしまいます。
     
    別にうちは悩みなんかないよ、という人でも、
    思わず好奇心をくすぐられるような本ですので
    1つの読み物としてとてもおすすめできます。
    特に最後の『国家栄養警察軍の突撃』という短い小説仕立ての章は、
    有川浩さんの『図書館戦争』を思わせるとても面白い仕掛けです。
     
    さらに最後の最後、訳者の方のあとがきが私としては最高にツボでした。
    この方が日本語版を出版しようと尽力して下さったおかげで、
    こうして読めたと思うと本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
    いい本を、ごちそうさまでした!



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