おすすめ本 -書評-

  • 14.10.24
    チャイルド44
    トム・ロブ・スミス

  • ずーっと読みたかったの、この本!

    さかのぼる事、この記事を書く数年前。
    たぶん5年前くらい前かな?
    ふらっと立ち寄った本屋に平積みされていて、
    最初を立ち読みしたら、気になってしょうがない!
    でも、買うかどうか悩んでしまったので、
    じゃあ次回にしようと本を置いた時に、なんとタイトルを見なかった!
    そしてお約束の「やっぱり買っておけばよかった!」に。
    でもタイトル知らないから探せないじゃないか、ワレ!
    そんな自分に腹をたてること5年。
    海外ミステリの棚を見つけるたびに、立ち読みして探していたのですが、
    今になって、やっと見つけたというわけですよ奥さん!
    (ちなみにうろ覚えのキーワードをネットで探して分かりました。ネット万歳!)
     
    話はスターリン時代のソ連であります。
    まず、冒頭の話がいきなり涙をそそります。
    飢餓で苦しむ村。
    そこで生きるよすがとして猫を飼っていた女が、
    これ以上は飼えない、かといって自分の手では殺せないと、
    苦渋の決断として森に猫を逃がします。
    それを見ていた兄弟が猫を狩りに行き……。
    そしてそれから時が流れ、やはりスターリン体制での
    厳しい社会で話がスタートします。
     
    はっきり言って、怖いです。
    冒頭の飢餓シーンでも胃袋がきゅっとなるくらい怖いですが、
    その後の国家保安省のスパイ狩りのシーンなんかも、
    脳みそがきゅっとなるくらい本当に怖いです。
    教科書やなんやかんやで、少しは当時の状況を知っていたはずですが、
    小説になって人物に血肉が宿ると、すごい臨場感をもった恐ろしさがやってきます。
     
    たとえ無実でも、一度でも疑われれば捕まる世界。
    捕まれば、死か強制労働かが待っている世界。
    捕まえる捜査官も、ほんのささいなミスで転落して狩られる側になる世界。
    マジで、こええええええええ!
     
    と、子ネズミのように震えながら、仕事中の昼休みもぶっつづけで読みました。
    この世界が怖すぎて、目が離せなかったんです。
    で、読み終えました。つーかーれーたー!
    けど、本当におもしろかったです。
    ミステリとしても良くできていて、ていうか途中の逃亡劇が
    手に汗握りすぎて、ほんっとうに疲れました。
    読んでいる間、読者をまったく安心させません。
    後ろからナイフの刃先でつつつ、と首筋をなぞられているような緊張感でした。
    心臓の弱い方にはおススメできなくなっちゃうな…。
     
    ちなみに続きの「グラーグ57」も手元にある私。
    勢いで読もうかと思ったのですが、
    あんまりにもぐったりしたので、
    ちょっと違う本をチェイサー的に読むことにしました。ふううう…。



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