もじりすた
3度のめしより本が好き
読み散らかした中から、おすすめ本を紹介します。
ずーっと読みたかったの、この本!
さかのぼる事、この記事を書く数年前。
たぶん5年前くらい前かな?
ふらっと立ち寄った本屋に平積みされていて、
最初を立ち読みしたら、気になってしょうがない!
でも、買うかどうか悩んでしまったので、
じゃあ次回にしようと本を置いた時に、なんとタイトルを見なかった!
そしてお約束の「やっぱり買っておけばよかった!」に。
でもタイトル知らないから探せないじゃないか、ワレ!
そんな自分に腹をたてること5年。
海外ミステリの棚を見つけるたびに、立ち読みして探していたのですが、
今になって、やっと見つけたというわけですよ奥さん!
(ちなみにうろ覚えのキーワードをネットで探して分かりました。ネット万歳!)
話はスターリン時代のソ連であります。
まず、冒頭の話がいきなり涙をそそります。
飢餓で苦しむ村。
そこで生きるよすがとして猫を飼っていた女が、
これ以上は飼えない、かといって自分の手では殺せないと、
苦渋の決断として森に猫を逃がします。
それを見ていた兄弟が猫を狩りに行き……。
そしてそれから時が流れ、やはりスターリン体制での
厳しい社会で話がスタートします。
はっきり言って、怖いです。
冒頭の飢餓シーンでも胃袋がきゅっとなるくらい怖いですが、
その後の国家保安省のスパイ狩りのシーンなんかも、
脳みそがきゅっとなるくらい本当に怖いです。
教科書やなんやかんやで、少しは当時の状況を知っていたはずですが、
小説になって人物に血肉が宿ると、すごい臨場感をもった恐ろしさがやってきます。
たとえ無実でも、一度でも疑われれば捕まる世界。
捕まれば、死か強制労働かが待っている世界。
捕まえる捜査官も、ほんのささいなミスで転落して狩られる側になる世界。
マジで、こええええええええ!
と、子ネズミのように震えながら、仕事中の昼休みもぶっつづけで読みました。
この世界が怖すぎて、目が離せなかったんです。
で、読み終えました。つーかーれーたー!
けど、本当におもしろかったです。
ミステリとしても良くできていて、ていうか途中の逃亡劇が
手に汗握りすぎて、ほんっとうに疲れました。
読んでいる間、読者をまったく安心させません。
後ろからナイフの刃先でつつつ、と首筋をなぞられているような緊張感でした。
心臓の弱い方にはおススメできなくなっちゃうな…。
ちなみに続きの「グラーグ57」も手元にある私。
勢いで読もうかと思ったのですが、
あんまりにもぐったりしたので、
ちょっと違う本をチェイサー的に読むことにしました。ふううう…。