おすすめ本 -書評-

  • 14.10.23
    極夜
    カーモス ジェイムズ・トンプソン

  • なんと珍しい、舞台はフィンランドであります。
    太陽の出ない極寒の地で、
    警察署長であるカリは奥さんのケイトと幸せにしていますが、
    そこに死体が見つかったという知らせが。
    あとはまあ、よくあるミステリだと思っていただければよろしいかと。
     
    そう、ストーリーとしては珍しいところはそんなにありません。
    むごたらしい死体があって、警察官が犯人を捜して、意外な人が犯人、というやつです。
    で、その結末もちょっと苦しいかな…と思うところもないとは言えず、
    かといって途中で放り出すほど、つまんないわけでは決してありません。
    むしろ夢中で読みましたよ、ええ。
     
    この本のおすすめは、なんといってもフィンランドだということ!
    車のバッテリーは家に持って入らないと動かなくなるとか、
    気温がマイナス40度に普通になるとか、
    そのくせ家の中ではパンツだけでも平気なくらいあったかいとか、
    ものすごい自殺率と飲酒率だとか、
    そういうフィンランドのこまごまとした生活が書かれるたびに
    「へえええええ」と言わずにはいられません。
     
    そう。だから思わずページを繰る手が止まらないのです。
    もしなかなかフィンランドに行く機会がないというそこのアナタ!
    ぜひご一読を。
    私は一度だけ、ヘルシンキに行ったことがあります。
    ものすごーくシンプルな、装飾などがきりっと省かれた街並みで、
    私はとても好みでした。
    あ、小説の舞台はヘルシンキではありません。あしからず。



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