おすすめ本 -書評-

  • 14.10.16
    深夜特急
    沢木耕太郎

  • 本当に、心の底から尊敬してます。
    沢木さん!
     
    この本との出会いは大学生の頃でした。
    ある講義室で授業を聞いていると、ふと机の中に一冊の本が。
    誰かが忘れたと思わしき文庫本。それが深夜特急でした。
    ふーん、とかるくぱらぱらめくってみると……止まらない。おもしろい!
    悪いとは思ったのですが、そのまま家に持って帰って読み通し、
    次の日からは2巻を探しに本屋にでかけるしまつ。
    さらに友達にもすすめまくり、いつのまにかみんなでぐるぐる回して
    読みまくった思い出があります。
     
    そんな、ずーーーっと昔に買ったにもかかわらず、
    それから何度も何度も読み返し、人に貸し、
    表紙が破れても大事に取っておいてまた読み返す。
    そんな私の宝ものの一つであります。
     
    内容は、沢木氏が二十代の頃に世界中を(日本からロンドンまで)
    旅した時のエッセイでありますが、
    「エッセイ」なんていう言葉の軽い語感に騙されちゃあいけませんよ!
    すっごいステキな日本語で、しびれるくらいうつくしい文章です。
    ムダがなく、かといって四角四面でもなく、
    のびやかで真面目。真剣に素直。
    どんな賛辞を送っても、賞賛しきれないような文章です。
     
    たぶん、沢木氏本人のお人柄のせいなんでしょう。
    読めば読むほど、書き手の味に見せられて、なんど読んでもため息がでます。
    これはもう、国語の教科書にのせてもいいんじゃないですか?
    いや、教科書っていうのはつまんないのが定石なので、
    他になんか、読み継ぐのにいい方法ありませんかね?
     
    なにはともあれ、沢木さんはかっこいいのです。
     



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