もじりすた
3度のめしより本が好き
読み散らかした中から、おすすめ本を紹介します。
本当に、心の底から尊敬してます。
沢木さん!
この本との出会いは大学生の頃でした。
ある講義室で授業を聞いていると、ふと机の中に一冊の本が。
誰かが忘れたと思わしき文庫本。それが深夜特急でした。
ふーん、とかるくぱらぱらめくってみると……止まらない。おもしろい!
悪いとは思ったのですが、そのまま家に持って帰って読み通し、
次の日からは2巻を探しに本屋にでかけるしまつ。
さらに友達にもすすめまくり、いつのまにかみんなでぐるぐる回して
読みまくった思い出があります。
そんな、ずーーーっと昔に買ったにもかかわらず、
それから何度も何度も読み返し、人に貸し、
表紙が破れても大事に取っておいてまた読み返す。
そんな私の宝ものの一つであります。
内容は、沢木氏が二十代の頃に世界中を(日本からロンドンまで)
旅した時のエッセイでありますが、
「エッセイ」なんていう言葉の軽い語感に騙されちゃあいけませんよ!
すっごいステキな日本語で、しびれるくらいうつくしい文章です。
ムダがなく、かといって四角四面でもなく、
のびやかで真面目。真剣に素直。
どんな賛辞を送っても、賞賛しきれないような文章です。
たぶん、沢木氏本人のお人柄のせいなんでしょう。
読めば読むほど、書き手の味に見せられて、なんど読んでもため息がでます。
これはもう、国語の教科書にのせてもいいんじゃないですか?
いや、教科書っていうのはつまんないのが定石なので、
他になんか、読み継ぐのにいい方法ありませんかね?
なにはともあれ、沢木さんはかっこいいのです。