もじりすた
3度のめしより本が好き
読み散らかした中から、おすすめ本を紹介します。
なんだかすごい評判がいいらしいので、
思わず読んだらイッキ読み。
文庫版で上、下で読みました。
うーん、みっちり詰まってる!て感じですね。
全部読み終わるのに、六時間くらいはかかったでしょうか。
ストーリーは麻薬取締官のアートを中心に、
捜査側、マフィア側、さらに麻薬をめぐるあれやこれやを
ねっちりみっちり、そのくせぐいぐいと力いっぱい読ませてくれる、
骨太で飽きない楽しい本です。
正直、ニュースなんかで南米の麻薬問題がうんぬんかんぬん、と言われても
いまいちピンと来なかったのですが、これを読んだら他人事にはなりません。
あー、そういうことね…。なんて思っちゃうはずです。
ヘタなうすっぺらい歴史をなぞるよりも、
本書を読むほうが、はるかに臨場感を持って学べると思います。
ちなみに。
残虐シーンが嫌いな方にはおすすめしません。
読んだ後にすっきり元気に今日もがんばるぞ!なんて気分になりたい人にも
あんまりおすすめできません。
さっぱり、とは対極のストーリーですね。
血で血を洗って銃の安全装置は外しっぱなし、て感じです。
で、この本、やたら評価が高いんですよ。
アマゾンでもべた褒めラッシュですし、
私はよく読んでいる読書家さんのブログで知りました。
うーん、売れているんですねえ。
しかし、こういうのが好きな人が多いというのにちょっと驚きました。
ちなみに私は好きでした。
そう、過去形なんですよ。
昔なら、今年読んだベスト3には入れちゃうかと思います。
ほんとよくできた構成なんですよ。
でも、最近は薄味の中にもコクがある料理が好きになったように、
本も同じ傾向になったようで、ちょっとくどいかな…。
でもそれが悪いと言ってるわけじゃありません。
素のサラダが好きな人もいれば、天丼大盛りが好きな人もいますって話ですね。
それならこの本は、血も滴るレアステーキ800グラムってところでしょうか。
もちろんサラダはありません。
この本、セリフまわしが私はとてもツボでした。
特にマフィアの”大桃”が、心配性のミッキーに言ったセリフ。
「オレのおばさんにもしも金玉がついてたら、そいつはおじさんだ」
なんだかよくわからないけど、かっこいい…。