おすすめ本 -書評-

  • 14.10.28
    空飛び猫
    アーシュラ・K.ル・グウィン

  • もう、一目ぼれ!!!
     
    ゲド戦記でおなじみ、ル・グウィンの作品だと読んだ後に知りました。
    と言ってもゲド戦記をまだ読んでないのでこれ以上はごめんなさい。
    そんなことは横に置いておいて、なにしろこれ。
    猫が空飛んじゃいます。ええ、背中にやわらかい羽が生えているんです。
    だからといって、天使とかじゃありません。
    そこらへんにいる、ただの猫。
    でも、翼が生えてる!
     
    ストーリーはシンプル。
    薄汚れた街中で、お母さん猫が羽の生えた四匹の子猫を育てています。
    街は、子猫たちが住むにはかなり厳しい環境。
    だからお母さんは子猫たちのためにいいます。
    「その翼で、遠くに飛んで行きなさい」
    そして子猫達は、お母さんに別れを告げ、まだ見ぬ新しい土地へと旅を始めます。
     
    ただそれだけの話なのに、もうもう心臓がじーんと震えちゃって大変です。
    話もシンプルかつ、温かい雰囲気に加え、この挿絵の良さがもう最高!
    超リアルな翼をつけた猫たちが空を駆け巡っています。
    もしこれが、キティちゃんみたいなキャラクターだったら、
    私はたぶん手に取っていなかったでしょう。
    原書の英語版がどうなのかはわかりませんが、
    (たぶん、イラスト数は同じでしょうが)
    私が見た日本語版は、絵本と言ってもいいくらいに挿絵が多く、
    ページをめくるのが本当に楽しくてたまりませんでした。
     
    ちなみに訳者は村上春樹。
    正直、そんなに大事な情報じゃありません(ファンの方すみません)。
    出版社としては、これを全面に押し出して売りたいようですが、
    そんなことよりもこのステキすぎる翼付き猫を広告していただきたい。
    猫に翼ですよ?猫がハトみたいに空をぐんぐん飛んじゃうんですよ?
    売り出すべきはそこだと思います。
    とかなんとか言って、訳が他の人だったらダメかもしれませんね。
    翻訳モノは、結構訳者で左右されますからね。
    もちろん、日本語も素敵です。
     
    そんな猫好きのバイブルになりそうなこの作品。
    全部で四作の連作となっています。
    どれもドキドキハラハラ、素敵な話になっております。
     
    ちなみに原書はやさしい英語で書いてあるそうなので、
    いつか原書で読んでみたいなぁ。なんて。
    言うだけならタダですからねー。



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