おすすめ本 -書評-

  • 14.10.21
    整形前夜
    穂村弘

  • この人の本は、問答無用で即買いです。
     
    言葉の選び方、センスの良さにいつもいつも脱帽です。
    軽い感じのエッセイから、歌人としてのどす黒いほどの(笑)
    情熱を感じる想いまで、様々なテイストのエッセイが詰め込まれています。
     
    とくにこの「整形前夜」で好きなのが、
    「言葉の迷宮(低次元バージョン)」です。
    美容院でいいのか、ビヨウイン、びよーいん、美容室?と悩む作者。
    そうそう、そういうことってあるんだよね!
    思わず「あるある!」と膝を叩いてしまいました。
     
    で。秀逸なのが、エッセイの最後。
    「優れた才能の持ち主が、言葉の迷宮(低次元バージョン)で
    思わぬ地雷を踏んでいる姿をみることがあって、あー、と思うのだ」
    分かる、これわかるよ穂村氏!
     
    以前、大好きだったミステリ作家の本を読んでいたのですが、
    なんとそこは死語の地雷原になっていました。
    「あたい」「ズベ公」「とっぽい」などなど…。
    古い本ならいざ知らず、もう西暦2000年過ぎた新刊でですよ。
    冗談で、わざとズレを狙っていれば分かるのですが、
    文章からは本気としか思えない雰囲気がぷんぷんして、
    わたしは本をそっと閉じました。
    そして今に至るまで、その方の本は読んでいません。
    好きだったからこそ、なんだかすっごく悲しかったんですよね…。
    でも甘酸っぱい気持ちを思い出させてくれた、
    穂村さんに座布団1枚!
     
    そんな穂村氏が結婚したと聞いて、絶対に冗談だと思った人、ハイ!



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