おすすめ本 -書評-

  • 14.10.27
    若者のための〈死〉の倫理学
    三谷直澄

  • まあ、たまには真面目な事も考えるんですよ。
    『死』はどっから手をつければいいのか、ちょっとてこづる問題ですが、
    こちらの本、とっても読みやすくておもしろかったです。
    あ、読みやすいのと内容が薄いのは意味が違いますよ。
    口当たりはソフトですが、中身はしっかりつまってます。
    生クリーム大福みたいな感じ、と言えば分かってもらえるでしょうか。
    だめですか、すみません。
     
    内容が内容だけに、スパッと答えが出るようなものではありませんが、
    それでも『死』について、これだけ色々書いてもらえると、
    読んでいてとても楽しいです。
     
    とかなんとかえらそうな事言ってますが、
    もう一度、いや何度か読まないときちんと頭に入っていない気がします。
    でもそのくらい、楽しんで何度も読める本であります。
    死と言っても、別に具体的な死に方とかそういう事ではなく、
    過去の哲学者たちがどう考えていたか、という本です。
    そこらへんをまとめて知りたい、という時には
    とてもいいと思いました。
     
    そして何より一番好きだったのが、『若者のため』と書きながらも、
    へんに上から目線でもなく、かといってバカみたいに下手にでるわけでもなく、
    とても真摯な姿勢が一貫していて、そこらへんが
    著者の技量&品の良さを醸し出していて、
    ごっつう好感がもてました。
    ノンフィクションって、かなり人柄がだだ漏れ的ににじみ出ますが、
    (その辺、無自覚な著者が多くて、びっくりすることが多々ありますの)
    わたし、この人好きです(きっぱり)。
    多分、真面目でいい人なんだろうなー。と、
    全く本とは関係のないことを考えながら読み終えました。
     
    しかし。
    死に関する本を『楽しんで』読んだらまずいのかな。
    たまに「よくそんな本読むね」と言われますが、
    ううむ、死について考えたい時だってあるじゃないか!
    結論がでないけど考える。
    それって実は、最高の贅沢かもしれませんね。



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