おすすめ本 -書評-

  • 14.12.12
    プ〜ねこ
    北道正幸

  • あまり知られていないと思うのですが、
    ねこを飼いだすと、野良猫から猫キャラまで、
    目に付く全てのねこが気になってしかたがなくなるのです。
    そのような体内の猫熱量が上がる現象を、
    フェーン現象ならぬ「ニャーン現象」と言います。
      
    …とまあ、のっけから嘘をつきましたけど、
    ねこを飼うと他の猫も好きになるのは本当です(自分調べ)。
    もう見る猫見る猫、気になってしょうがない。
    脳内で近所の猫分布図が完成するほどです。
    そんな猫好き症状が出始めたときに、出会った漫画がこれでした。
      
    これは四コマと短編を入れたねこ漫画です。
    でも、ねこ漫画って言っていいのかな?
    と悩んでしまうくらいに実は血中猫度はあまり高くないです。
    でも私はむしろそれがとても心地いいのです。
    擬人化されていても、猫の姿はリアルなまま。
    そしてシュールでちょっとマニアック寄りの話題。
    王道まっすぐの漫画よりも、ちょっとひねくれてるのが好きな人なんか、
    どっぷりこの世界で楽しめること間違いなしです。
     
    そしてとても大事な事に、この人、絵がとっても素敵なんです。
    久しぶりに「これだ!」と思う絵でした。
    「かわいい」と「リアル」と「デフォルメ」の間を、
    うまくバランスを取っている絵だと思います。
    猫はもちろんですが、人間の絵がとってもうまい。
    きちんと厚みのある体の描き方が、本当にいい!と思いました。
    さらに絵だけでなく、短編漫画がもう最高。
    屋根瓦の上で暮らす女の子の話とか、
    スーパーの品物詰め(サッカー)の話とか。
    なにそれ読みたい!と思わせる発想がもうたまりません。
     
    と、すっごくおすすめなんですよ。
    でも近所の本屋には軒並み置いてないんです。
    いつか店員さんに「プ〜ねこありますか?」と、
    堂々と聞ける度胸を手にいれたいと思います。



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