おすすめ本 -書評-

  • 09.12.23
    陰陽師
    岡野玲子

  • これは今年の一番ヒットといっても過言ではありません。
    とはいっても、だいぶ前に発売されている本ですが。




    最初見たときは、「うーん、好きになれなそうだな…」としぶしぶ手に取ったのですが、
    読んでいくうちに、前言撤回して五体投地ですよ!
    反省、反省、猛反省!
    どうして今まで読まなかったんだ!


    舞台は平安。
    魑魅魍魎が跳梁跋扈する世界が舞台。
    (↑一度でいいから、↑この二つの四文字熟語を使ってみたかった…うれしい)
    そんなあやかしの世界は、岡野玲子の大人っぽい絵が泣けちゃうくらいにぴったりで
    うっとりとみとれるくらいに美しすぎるのですよ…。


    原作は夢枕獏。
    この作家は、私にとって大好きな物書きの一人です。
    地の文章に、ずばぬけた特徴がある人です。
    他人がマネしようとしても、絶対にできないんじゃないでしょうか?
    エンターテイメント的な特徴のありすぎる(笑)人物描写を、
    俗っぽさと美しさのぎりぎりのはざまで表現できる人なのです。
    だからと言って、読みづらい硬い文章ではありません。
    むしろとても読みやすい。びっくりするほど読みやすい!
    エンターテイメントはこうでなくちゃ!
    読むたびに、私はいつも反省&尊敬します。


    そんな夢枕獏と手を組んだ岡野玲子が生んだマンガ。
    おもしろくないわけがない。
    ほら、そこのお嬢さん!
    お正月にデパートで婚活福袋なんて買おうと計画している場合じゃないですぜ!
    INDIVIのワンピが1着増えたところで世界は変わらないですよ!
    でも、この本をめくれば鬼の住む世界がすぐそこに…。
    たまには俗世を忘れて、異界へタイムスリップしましょうぜ!



    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
    にほんブログ村
PAGE TOP