もじりすた
3度のめしより本が好き
読み散らかした中から、おすすめ本を紹介します。
うーん。
困ったなあ。
いわずとしれた、星の王子さまの作者、
サン=テグジュペリの有名小説、『夜間飛行』。
はっきりいってタイトルだけでもうお腹いっぱい。
ええ、すてきなんですよ。文句ないくらい美しすぎます。
特にこの一節。ひさびさにしびれました。
「愛されるには同情しさえすればよい」
ああ。
この一言でご飯が三杯は食べられるってもんですよ。
小説は、夜間飛行を行うパイロットと
それを管理する支配人の間を行き来します。
その描写の繊細で叙情的で詩的なことったら。
サン=テグジュペリを好きな人が
やたらと熱狂的になるのもわかります。
が。
実はわたしはその逆なんですね?。
きれいすぎてなんだかしっくりこないんです。
これが「詩」だったら両手をあげてバンザイしてると思います。
「美しい!これは夜の文章だ!」と。
しかし、これは小説です。
小説ならば、もっと汚くて重くて強い方が好きなんです。
美しさのあいだに潜む、もっと黒くてどろどろしたものを見せてほしいのよ…。
もし、わたしが10代だったら、この本を熱狂的に受け入れたでしょう。
どうやら今のわたしはその美しさに迎合するほど若くもなく、
かといって許せるほど大人でもないようです。
うーん、ジレンマ☆
ちなみに、サン=テグジュペリの本名知ってますか?
アントワーヌ・ジャン=バチスト・マリー・ロジェ・ドサン=テグジュペリ、というそうですよ。
じゅげむじゅげむ……。