もじりすた
3度のめしより本が好き
読み散らかした中から、おすすめ本を紹介します。
ああ、久しぶりに読み返してしまいました。
トマス・ハリス著 『ハンニバル・ライジング』
映画「羊たちの沈黙」でおなじみ、
博覧強記&人食い博士、ハンニバル・レクターの幼少期の小説です。
正直、レクター博士のこれまでも業績(?)を考えると、
この本はちょっと物足りない。
いや、かなり物足りないです。
発売日に喜び勇んで本屋に出かけ、わくわくして読んだ私はがっかりしました。
「……あんまり人殺してないじゃん…」
確かに読み物としてはとても面白い。
妙な日本びいきが笑えたりとか色々ありますが、
それでもトマス・ハリスの本領ともいうべき緻密な文章が冴えててとても美しい。
ミステリ作家は往々にして、ちょっと感情的な文章書きが多いのですが
この人は絶対に筆をすべらせません。
そこが大好き。
でも!
レクター博士好きとしてはものたりないのですよ!
もっと博士を大暴れさせて!!!
そんなハンニバル・ライジング。
最初に読んだ時、BGMにYUKIちゃんの「ティンカーベル」を聞いていたので
いまでも曲を聴くたびにあの時のことを思い出します。
わくわくしながら通勤電車でページをめくったこと。
読み終わってすぐに友達に電話して、
「ものたりなーい!」と叫んだこと。
(ちなみに友人はレクターの叔母、「マダム・紫」の名前で爆笑でした)
うーん、いい思い出です。